ソフトバンクグループ(9984)2026年3月期決算を読む――純利益5兆円・NAV40兆円で過去最高、ただし利益の源泉は“投資損益”

ソフトバンクグループ(9984)2026年3月期決算を読む――純利益5兆円・NAV40兆円で過去最高、ただし利益の源泉は“投資損益” 9984 ソフトバンクG

ソフトバンクグループ(SBG、9984)の2026年3月期(IFRS連結)は、親会社の所有者に帰属する純利益5兆23億円(前期比+333.7%)、時価純資産(NAV)40.1兆円と過去最大という記録的な決算となりました。ただしSBGは事業会社ではなく投資持株会社であり、この巨額利益の主因は売上ではなく投資損益7兆2,865億円です。利益が年度ごとに大きく振れる構造と、SBG本来の“ものさし”であるNAVの両面から読み解きます。

※本記事はデータに基づきAIで作成した情報解説であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. 2026年3月期決算サマリー

連結業績(IFRS)2026年3月期2025年3月期増減
売上高7兆7,987億円7兆2,438億円+7.7%
投資損益7兆2,865億円3兆7,011億円+3兆5,854億円
税引前利益6兆1,349億円1兆7,047億円+259.9%
親会社帰属純利益5兆23億円1兆1,533億円+333.7%
基本的1株当たり利益(EPS)※873.51円195.20円
ROE(親会社帰属持分当期利益率)34.3%10.2%
自己資本比率29.0%25.7%+3.3pt

※EPSは2025年末に実施した1対4の株式分割を反映した調整後ベース(前期も遡及調整)。

売上高は+7.7%と小幅増にとどまる一方、税引前利益・純利益は3〜4倍に急拡大しました。利益の伸びは売上ではなく投資損益(保有株式の評価・売却損益)から来ている――これがSBGを読むうえでの出発点です。

2. 利益の正体――“事業会社”ではなく“投資会社”

SBGの損益計算書は、トヨタやソニーのような事業会社とは性格が異なります。同社には一般的な「営業利益」がほぼ意味を持たず、利益の中心は投資損益――Arm、ビジョン・ファンド(SVF1/SVF2)、保有する各社株式などの評価損益・売却損益です。

売上高と純利益の推移

直近3年の純利益(親会社帰属)の振れ幅を見ると、その特性は一目瞭然です。

  • 2023年度(2024年3月期):純利益 ▲2,276億円(赤字)
  • 2024年度(2025年3月期):純利益 +1兆1,533億円(黒字転換)
  • 2025年度(2026年3月期):純利益 +5兆23億円(過去最高)

売上高は3年間で6.8兆→7.2兆→7.8兆とほぼ横ばいなのに対し、純利益は赤字から5兆円へと大きくスイングしています。これは業績の“実力”が3年で20倍以上になったというより、保有資産の時価変動が損益として表れる投資会社特有の現象です。逆に言えば、市況やArmなど主力資産の株価が反転すれば、利益は再び大きく下振れし得ます。

3. NAV(時価純資産)とLTV――SBG本来の“ものさし”

SBG自身は、P/L(純利益)よりもNAV(Net Asset Value=時価純資産価値、保有株式価値-純有利子負債)を最重要指標として掲げています。投資会社の価値は「持っている資産の時価」で測るのが合理的だからです。

重要指標2025年3月末2026年3月末
NAV(時価純資産)25.7兆円40.1兆円
LTV(純負債÷保有株式価値)18.0%17.0%
手元流動性3.4兆円3.5兆円

NAVは1年で25.7兆→40.1兆円へと大幅増加し、当社史上最大となりました。会社資料では2026年5月12日時点のプロフォーマNAVを47.7兆円と示しており、期末以降のArm株価上昇等でさらに拡大しています。

同時に、財務の健全性を示すLTVは18.0%→17.0%へ改善、手元流動性も3.5兆円を確保。「攻め(NAV拡大)」と「守り(レバレッジ抑制)」が両立した1年でした。NAVの構成はArm、ビジョン・ファンド、アリババ、国内通信子会社(ソフトバンク)、Tモバイル等で、近年はArmの比重が大きくなっています。

4. ドライバー:Arm・ビジョンファンド・AIシフト(決算説明会より)

今回の記録的な利益とNAV拡大を牽引したのは、決算説明会資料によれば次の要素です。

  • Arm:時価総額が過去最大級に到達。AI向け半導体の基盤としてデータセンター向けでも採用が拡大し、SBGのNAVを押し上げる中核資産に。
  • ビジョン・ファンド(SVF1/SVF2):保有先の評価回復が投資損益に寄与。
  • AIシフト:SBGは「AI」を中心に据えた投資・事業戦略を鮮明にしており、Armを軸としたAIインフラへの傾斜を強めています。

純利益5兆円は、各社の通期最高益と比較しても日本企業として屈指の水準です。ただし繰り返しになりますが、その源泉はAI・テック株の時価という外部相場に強く依存する点に留意が必要です。

5. 株主還元――配当+自社株買い、そして1対4の株式分割

SBGは2025年度、株主還元として配当と自己株式取得を実施しました。

  • 自己株式取得:2025年度累計で932億円を取得。
  • 配当:2026年3月期の1株当たり配当は、第2四半期末22.00円+期末5.50円。期末が前年の22.00円から5.50円へ「減った」ように見えますが、これは2025年末に1対4の株式分割を実施したためで、減配ではありません(分割により1株が4株に。1株あたり配当は調整後ベースで年11円前後を維持)。
  • 翌2027年3月期(予想)の配当は、分割後ベースで年11.00円(中間5.50円+期末5.50円)。

株価面でも、2025年12月29日に株価が約17,800円→約4,485円へと“4分の1”になっていますが、これは1対4分割によるもので価値の毀損ではありません(本記事の株価チャートは分割調整後)。

6. 2027年3月期の位置づけ――SBGは通期業績予想を出さない

事業会社と違い、SBGは通期の業績予想(売上・利益)を開示していません。利益の大半が保有資産の時価変動で決まるため、合理的な業績予想が困難だからです。決算短信でも開示されるのは配当予想(年11.00円)程度で、売上・利益の通期見通しは示されません。

したがって投資家は、四半期ごとの純利益の数字に一喜一憂するより、NAVの推移・LTV・主力資産(特にArm)の動向を継続的に追うことが、SBGを評価するうえで本質的になります。

7. 株価はどう動いてきたか

株価推移

※株価は1対4株式分割(2025年末)を遡及調整した「調整後終値」ベースです(分割の段差を除去)。直近終値は7,491円、調整後の上場来高値は7,841円(2026年5月26日)。

  • 2021〜2023年:2021年初の高値圏(調整後で2,000円台半ば)から、グロース株調整・ビジョンファンドの評価損などを背景に下落し、2022〜2023年は1,200〜1,800円前後で低迷・往来。
  • 2024〜2025年前半:Armの上場(2023年9月)と株価上昇、AIテーマの盛り上がりを追い風に、2,000〜3,000円へ水準を切り上げ。
  • 2025年後半:AI・Arm期待で一段高し、調整後で一時6,800円台へ急騰(出来高も急増)。
  • 2026年初〜春:いったん3,500〜4,000円台へ調整したのち、再び急騰し、2026年5月に調整後の上場来高値7,841円を更新。

株価は、業績(単年度の純利益)よりもNAVおよびArm株価との連動性が高いのが特徴です。

8. 業績・NAV・株価をどう読むか(統合考察)

SBGの2026年3月期は、(1)純利益5兆円という“過去最高益”、(2)NAV40.1兆円という“史上最大の時価純資産”、(3)分割を挟んだ株価上昇、という3つが揃った当たり年でした。ただし、その読み解きには注意点があります。

  • 利益はストック(NAV)の変動を映す鏡:純利益5兆円は、Armをはじめとする保有資産の時価上昇が損益に表れたもの。同じ理由で、相場が反転すれば過去(2022年度の大幅赤字など)のように再び大きく下振れし得ます。純利益の絶対額より、NAVがどれだけ積み上がったか/毀損していないかを見るのが筋です。
  • NAVと時価総額の関係:SBGの株価(時価総額)は、しばしばNAVを下回って推移します(いわゆる“コングロマリット・ディスカウント”)。NAV 40〜47兆円に対し時価総額がどの程度かは、割安・割高を考える一つの目安になります。
  • 守りは改善:LTV17%・手元流動性3.5兆円と財務規律は保たれており、レバレッジ起因の急変リスクは以前より低下しています。
  • テーマはAI一点集中へ:Armを軸にAIインフラへ傾斜する戦略は、上振れ・下振れの双方を増幅し得ます。

つまり、「過去最高益」という見出しの強さと、その利益が相場次第で振れる不確実性は表裏一体であり、SBGはP/Lの単年度の数字ではなく、NAV・LTV・主力資産という“資産の質と量”で評価すべき銘柄、というのがデータから読み取れる現在地です。

9. まとめ

  • 2026年3月期は純利益5兆23億円(+333.7%)・税引前利益6兆1,349億円と過去最高。主因は投資損益7兆2,865億円
  • SBGは投資持株会社で、利益は保有資産の時価変動で大きく振れる(直近3年は▲2,276億→1.15兆→5兆)。
  • 本来の指標NAVは25.7兆→40.1兆円(史上最大)、5/12時点プロフォーマ47.7兆。LTV17%・手元流動性3.5兆と財務も改善。
  • 牽引役はArm(時価総額過去最大級)・ビジョンファンド・AIシフト。
  • 株主還元は配当(分割調整後 年11円前後)+自社株買い932億円。2025年末に1対4株式分割
  • SBGは通期業績予想を出さない。評価の軸はP/Lの単年度ではなく、NAV・LTV・主力資産の動向。

出典

本記事の数値・記述は、以下の公開資料に基づいています。金額は決算短信・説明会資料の表示を億円・兆円に丸めています。

  • ソフトバンクグループ株式会社 決算開示資料
    • 「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年5月13日)
    • 「2026年3月期 決算説明会」資料(2026年5月13日。NAV・LTV・投資損益・Arm等)
    • ソフトバンクグループ IRサイト:https://group.softbank/ir
  • 株価:みんかぶ(https://minkabu.jp/stock/9984/)の日次データ(2021年1月〜2026年5月、1対4株式分割を調整した調整後終値ベース)。参考値のため、正確な株価は証券会社等でご確認ください。
  • 過年度(2023・2024年度)の実績:ソフトバンクグループの過去の決算開示、および日本取引所グループ(JPX)の財務データ。

注記

本記事は公開情報に基づきAIで作成した事実整理・データ解説であり、特定の有価証券の売買を推奨・勧誘するものではありません。将来の見通しに関する記述には不確実性が含まれます。とくにSBGは保有資産の時価変動で 損益・NAVが大きく変動します。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

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